NHKスペシャル『人類誕生・未来編』第1集 こうしてヒトが生まれた

人類誕生

ダイアモンド博士の”ヒトの秘密” その他の回

未来に生きる老人・ドクと少女・エヴァが人類がいかに生まれ「人間」に進化したのかをさかのぼって探求する人類進化・未来編の3回シリーズです。

2018年9月8日にNHKBS1で放送の『人類誕生・未来編』第1集は「こうしてヒトが生まれた」です。

およそ700万年前チンパンジーは、人類と共通の祖先から枝分かれして進化しました。
その頃の人類は今とは全く違う姿をしていました。
私たちとチンパンジーはどんな関係があるのでしょうか?

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二足歩行は森で始まった

エチオピアのミドル・アワッシュで国際的なチームの発掘によって、ここにはかつて森が広がっていたことがわかりました。
そして人類の祖先アルディピテクス・ラミダスの骨が見つかりました。

アルディピテクス・ラミダスは、440万年前にいた人類の祖先です。
身長約120 CM 頭が小さくて足が長い奇妙な姿をしていました。
ラミダスの骨盤は横に広く、チンパンジーよりも現代人によく似ています。
つまりラミダスは二足歩行をして、しかも木の上で暮らしながら二足歩行を始めていたのです。

ミドル・アワッシュでは、数百匹の猿や鳥哺乳類、そして木や種など植物の化石も見つかっています。
森があったことの証明で、ラミダスは木の上を移動することも地上を歩くこともできたのでしょう。

二足歩行は草原で始まったと言われていますが、森で始まっていました。
従来の常識が覆ったのです。
ラミダスは人類の進化の常識に大きな革命をもたらしました。

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ラミダスが生存競争に勝ち残った理由

440万年前、ラミダスは猿よりも木登りは苦手で足も遅かったのにどうやって生き残ったのでしょうか?

ラミダスは、二足歩行していました。
アフリカを引き裂くように山脈が出現し森が縮小してしまいました。
果物や森のめぐみが手に入りにくくなると、遠くから餌を運ぶことができるから二足歩行していたラミダスが有利になりました。

もうひとつは、ラミダスは家族を持っていました。
森が縮小する中で子孫を残すためにはオスとメスが一夫一妻制のつがいとなって協力する必要があったのでしょう。

アファレンシスが生存競争に勝ち残った理由

およそ370万年前のアフリカでは、アウストラロピテクス・アファレンシスが、豊かな森には頼れず過酷な環境の大草原で生きていくことを強いられます。

肉食獣がうろつく草原で気弱な祖先は、複数の家族が集まって行動していたと考えられています。
時には10人以上の集団となり歩き回っていたことがわかりました。
アファレンシスは肉食獣から身を守るためには木の枝や石を持ち数だけが頼りだったのです。

ホモ・ハビリスが生存競争に勝ち残った理由

華奢なホモ・ハビリスと頑丈なパラントロプス・ボイセイは、ほぼ同じ時代に共存していました。

パラントロプスは頑丈型猿人と言われ、硬い豆や根っこをバリバリ食べて生きていける逞しい種でした が、最終的には絶滅してしまいます。

華奢なホモ・ハピネスは、草原でハイエナが動物の死骸を漁っているのを見つけると死骸の一部を横取りして生活していました。

タンザニアのホモハビリスの遺跡で発掘された草食動物の骨の表面には、まっすぐな切り傷がついています。
アフリカの狩猟採集民ハッザ族は、獲物の肉を食べる時同じような傷がつきます。
これらは非常に似ていて、動物の死骸を解体するために石器を使っていたことが考えられます。
直線的な傷はハピネスが石器を発明していたことの証拠となります。

ホモ・エレクトスが生存競争に勝ち残った理由

80万年前に登場したホモエレクトスは、人類に大きく近づきスラリと長い足と体毛の薄い体をしていました。
エレクトスは、死肉漁りだけでなく狩りをしていました。

ドマニシ遺跡で見つかった頭蓋骨によって、この人は仲間から助けられていたと考えられました。
人類に連帯感や思いやりの心が芽生えていた痕跡なのです。

人類の脳はエレクトスの登場から急拡大を始めます 。
栄養豊富で消化のよい肉を食べるようになったことでエレクトスの腸が短くなりました。
するとそれまで消化の為に使われていたエネルギーが脳に回せるようになり、脳が拡大し知能が高くなったと考えられています。

エレクトスは、人間的な性質を持ち、集団で支え合い助け合って暮らし心を持つヒトに進化したのです。

ホモ・サピエンスが生存競争に勝ち残った理由

20万年前頃、世界には少なくともホモ・エレクトス、ネアンデルタール人、ホモ・サピエンスという3種類の人類が共存していました。
その中でもホモサピエンスは後発としてアフリカで勢力を広げ始めました。

19万年前から氷期による地球規模の気候変動が始まりました。
温暖なアジアにはあまり影響がなく、エレクトス系のジャワ原人などにダメージはありませんでした
ヨーロッパに進出していたネアンデルタール人は、いち早く寒冷地に適応していたため生き延びることができました。

しかし、アフリカにいたサピエンスは窮地に立ちました 。
氷期には赤道付近は乾燥化が進み、砂漠へと変わっていきました。
南アフリカの南端にあるピナクル・ポイントに、サピエンスが逃げ込んだ痕跡が見つかりました。
それまで森や草原に暮らしていた人類が決して口にすることのなかった貝を食べることで生き延びたのです。
この海岸は貝が豊富だったために氷期を生き延びるための避難場所となったのです。
たまたま巡り合った未知の食べ物を口にすることをができた好奇心の強いものだけが生き残ったと考えられます。

現在、地球上にいる70億人の遺伝子の違いはとても少ないです。
ということは、見た目は違っても同じような遺伝子を持つ人が多いということです。
これは、ボトルネック現象と呼ばれ、人口の激減で遺伝子の多様性が失われたことを指します。
氷期にサピエンスの人口は、わずか1万人以下までに激減したといわれています。
ピナクル・ポイントでなんとか氷期を生き抜いた先祖が、今を生きる全ての人に繋がったことを示しているのです。

まとめ

家族や道具、心について、問いかけたエヴァ。
答えるドクは、どこか奥歯にものが挟まったようですね。
これから二人の関係が解明していくのでしょう。

君には伝えなきゃいけないことはまだたくさんある。

ドクは、エヴァに何を伝えたいのでしょうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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