NHKスペシャル『人類誕生・未来編』第3集 ついにヒトは海を越えた

人類誕生

ダイアモンド博士の”ヒトの秘密” その他の回

未来に生きる老人・ドクと少女・エヴァが人類がいかに生まれ「人間」に進化したのかをさかのぼって探求する人類進化・未来編の3回シリーズです。

2018年9月9日にNHKBS1で放送の『人類誕生・未来編』第3集は「ついにヒトは海を越えた」です。

サピエンスだけが、 どういうわけか大きな海を越えることができました。
大海原に囲まれた日本列島3万年前ここに渡ったサピエンスたちがいたのです。

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ホモ・サピエンスが海から拡散

石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡 から19体もの人骨が見つかりました。
大勢のホモサピエンスが暮らしていた東南アジア周辺中で、最も日本列島に近いのは当時大陸と陸続きだった台湾です。
ホモサピエンスは台湾から海を渡って日本列島にやってきたと考えるのが一番自然です。

しかし台湾から一番近い与那国島には大海原が広がっています。
そして、黒潮という早い海流が流れています。
この難関の海をどうやって渡ったのでしょうか。
当時最も難しい航海をやっている可能性が高いです。
黒潮をどうやって超えたのかがわかれば、ホモサピエンスが世界に拡散できた謎が解けると思います。

東南アジアの東ティモールのジェリマライ遺跡では、マグロやカツオの仲間の骨が見つかりました。
マグロやカツオ捕まえるためには沖合に出る必要があった、遠洋漁業の証拠と言えます。
当時のサピエンスはボートのような複雑な航海技術を持っていたはずです。
どんな船を作りどうやって渡ったのかは大いなる謎のままでした。

ホモ・サピエンスが寒冷地へ進出

世界で最も寒いと言われるロシアに、他の人類たちが進出できなかった障壁をサピエンスだけが乗り越えることができたのです。

北極圏にあるヤナRHS 遺跡では、マンモスやバイソンの骨と石器やアクセサリーなど10万点も見つかっています。
当時極北の大地には獲物となる大型動物がたくさんいて、食べ物には困らなかったのです。
しかし、寒さを克服するためマンモスの骨などの縫い針によって寒さから身を守る精巧な防寒着が作られました。

実験考古学で謎に挑む

台湾から沖縄の島々で3万年もの昔のホモサピエンスがどんな乗り物に乗ってこの難関の海を渡ってきたのでしょうか。
実験考古学という当時の人になりきり当時の道具を使って船を作り実際に海を渡る「3万年前の航海徹底再現プロジェク」で挑んでいます。

島々に自生するヒメガマでつくった草舟はスピードが出ませんでした。

3万年前と同じように石器を作り竹を切り出します。
台湾の少数民族アミ族の協力を得て竹船を作りました。
スピードが期待できる流線型の滝船が完成しました。
結局、黒潮の流れに打ち勝つスピードが得られず失敗しました。

なぜ与那国島を目指したのか

日本列島で一番近いとされる与那国島は台湾からは見えません。
しかし、当時の人が海を渡ろうとするからには、そこに島があることを知っていたはずです。
調べたところ、日の出と日の入りのわずかな時間、遮る雲がない時にだけ高台から与那国島を見ることが出来ることがわかりました。
三万年前の人もこんなふうに与那国島を見て、行ってみたいと思ったのかもしれません。

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2019年台湾から与那国島への航海に挑む

当時のサピエンスが海を越えるために必要だったものは石斧でした。
オーストラリアのマジェベベ遺跡でみつかり、柄をつけることで打撃力は10倍近くになりました。
木を切り倒し、くりぬいて丸木舟を作ることができました。

丸木舟は草舟や竹船に比べ水の抵抗が少なくスピードが出ることがわかりました。
草と竹をやってきましたがまるきぶでは圧倒的に早いです
2019年台湾から与那国島への航海に「3万年前の航海徹底再現プロジェク」で挑む予定です。
日本列島に南からやってきた人たちの謎が解かれようととしています。

まとめ

海と寒さこの二つの障壁を乗り越えたサピエンスは、あっという間に世界中を手中に収めました。
道具はさらなる便利な道具を作り出し、大きな力をもたらしました。
そして道具に翻弄されて・・・

ドクは、静かに目を閉じました。

でも、エヴァはサピエンスの力だけで成し遂げたんじゃないと知っていました。
いなくなってしまった仲間たちの力や何百回何千回何万回の偶然が重なったからだと理解していました。

エヴァの旅は、今はじまりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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