ダイアモンド博士の”ヒトの秘密” 第5回 夫婦の起源 性の不思議

ダイアモンド博士の”ヒトの秘密”

ダイアモンド博士の”ヒトの秘密 その他の回

『第三のチンパンジー』の著者  ジャレド・ダイアモンド博士(カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授)が 進化の謎を紐解きながら人間の本質を探ります。

2018年2月2日に放送の『ダイアモンド博士の”ヒトの秘密”』第5回は「夫婦の起源 性の不思議」です。

スポンサーリンク

ヒトはなぜ一夫一妻?

ヒトは、一人の男性が一人の女性とずっと連れ添う社会、法律上の制度を一夫一婦制基本といいますが、生物学では一夫一妻と言います。

ゴリラは一夫多妻で、オスはメスの2倍ぐらいの大きさをしています。
一夫一妻だと男一人に女1人が保障されているので、女性争奪の競争がないので壮絶な争いを勝ち抜くためにオスが特別大きくなる必要がありません。

また、ヒトの赤ちゃんは長い間サポートが必要です。
ヒトの子供は母親や父親両方から食べ物を与えてもらい生きるすべを学びます。
ヒトの父親は家で育児を手伝うことになりますが、一夫一妻で自分の子供だから20年かけて育てることができると考えるのです。

チンパンジーのメスは群れの多くのオスと交配するので、オスはどの赤ん坊が自分の子供なのかさっぱり分かりません。
その結果、チンパンジーのオスは子育てに協力しないのです。

スポンサードリンク

隠された排卵の意味

排卵とは、月経の周期の中で卵子が放出される時期のことです。
排卵が分からないというのは、卵子がいつ出てきて妊娠可能か外から見てもわからないということです。
通常哺乳類はメスが排卵して受精可能な時にだけ交尾をします。
ヒトは女性が1ヶ月のうちいつでもセックスに対応できます。
女性本人も、自分がいつ排卵して受精可能なのか近年までよく分かってませんでした。
なぜ、排卵が隠されたのでしょうか。

生物学者は排卵が隠された理由を四つの説を唱えています.

1.人の子育ては時間がかかるので性行為と引き換えに男性の育児参加を促すためという説。

2.男性は女性がいつ受精するかわからないので定期的にセックスをする必要があるので男性が女性の近くにいる、一緒に暮らすようにするためという説.

3.哺乳類のオスは自分の子供じゃないとはっきりしている子供を殺してしまうことがあります。
排卵がはっきり分からないヒトの女性が多くの男性と交わり思った時、父親が誰かわからなくなりま。
すると、子供を殺さないところか食べ物を持ってきてくれ、子供の命が守れるという説。

4,他の哺乳類と違いヒトの出産は非常に苦痛で危険です。
出産の苦痛を知っている女性は妊娠しないようにするという事態を避けるために、排卵日を本人にもわからないようにしたという説

モラルの誕生

一夫一妻

進化の論理は、生き残って子孫を増やすことです。
でもヒトは、必ずしも進化の理屈に従う必要はありません。
倫理的に行動することはできるのです。
進化の論理だけに従って浮気や殺人をしたら「人でなし」と言われます。
それこそが人間と動物が大きく違うところです。
ヒトの道徳的判断は、進化の利益を超えることができるのです。

まとめ

ヒトは哺乳類には珍しい一夫一妻というシステムに進化して、生まれた子供を夫婦で一緒に育て社会の中で育むようになりました。

排卵が隠されているという考え方をしたことがなかったのですが、このことは生物学者たちもいろんな意見があるくらい不思議なものなのですね。

ヒトは単に動物的に進化するだけでなく、倫理的に行動することができます。
進化の利益よりも道徳的判断が優先されるのはヒトならではなのですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント