2018年7月22日放送の『サイエンスZERO』は「生命維持の要 エクソソーム」です。
エクソソームは、『NHKスペシャル 人体 神秘のネットワーク』の第7集「“健康長寿”究極の挑戦」にも登場しているので、詳しく知りたいですよね。
エクソソームとは
エクソソームは1/10000 mm の小さなもので、中にはマイクロ RNA と呼ばれるメッセージ物質が含まれていています。
人間の体の細胞数は、だいたい37兆個あると言われています。
一個の細胞がたくさんのエクソソームを分泌していて、100兆個もあるのです。
マイクロ RNA は核酸物質の一種で、とても不安定で血液中に出てくると一瞬で分解されます。
ですが、エクソソームに大事にパッケージングされ、脂質二重膜という油の膜で包まれているから壊れず安定してます。
健康から外れた状態や病気になると、病気に関わる細胞が分泌するエクソソームが何十倍にも増えます。
マイクロ RNAは21個の塩基の連なりです。
塩基の順番がかわることでメッセージの種類が変わっていきます。
エクソソームがどんなメッセージを持っているかを調べることで、体内で起きている病気の兆しを見つけることがも可能になってきました。
心筋梗塞の治療にエクソソームを使う研究
心筋梗塞は発症すると細胞が瞬く間に壊死します。
心臓は新しい細胞に入れ替わるケースがとても遅く、50年かけて入れ替わるのはわずか3割程度。ところが心臓の中に潜むエクソソームの中に、ごくわずかですが心臓の細胞を再生させるメッセージを思ったマイクロ RNA が含まれていました。
これたくさn使えば心筋梗塞を治すことができるかもしれませんね。
がんの治療にエクソソームを使う研究
がん細胞が放出したエクソソームは、血管の壁の中へと行きます。
栄養が欲しいというメッセージを伝えると、血管を作る細胞が仲間からのメッセージだと勘違いし、血管を伸ばし始めるます。
がん細胞は増殖に欠かせない酸素や栄養を奪い取ります。
がん細胞は攻撃を仕掛けてくる免疫細胞にエクソソームはを放出し、攻撃するのを止めてというメッセージを免疫細胞に送りつけます。
受け取った免疫細胞はメッセージを聞いてがん細胞を攻撃するのやめてしまうのです。
がん細胞が転移する手段としてエクソソームを使っているのではれば、エクソソームの機能止めることでがんの転移を抑えられるのではないかと考えられています。
食べ物に含まれるエクソソーム
エクソソームは、動物にあるだけでなく野菜や果物の細胞からも分泌されます。
ある疾患になるとエクソソームの中身、マイクロ RNA が変化します。
エクソソームを調べることで病気の兆候がわかるのです。
これを元に戻すために薬だけではなく、食品を取ることで体内のマイクロ RNA を元に戻すことだできるのです。
まとめ
エクソソームの中身、マイクロ RNA を調べることで、病気の治療だけでなく未病という病気にまだなっていない異変の状態で体を元の正常な状態に戻すことができるようになるかもしれません。
がん細胞は、種類ごとにマイクロ RNA の種類も異なることが分かっています。
現在の研究では、前立腺癌・膵臓癌・乳癌・膀胱癌・卵巣癌など13種類の癌を判別することができ、2020年に実用化を考えているそうですよ。
病気以前の未病の状態から正常な状態に戻せるって夢のようですね。
研究に期待しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
長寿遺伝子が寿命を延ばす NHKサイエンスZERO [ 日本放送協会 ]
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